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事業承継税制役員就任要件が緩和

 

 昨年「元気風通信」11月号で、特例事業承継税制における株式の贈与日までに、後継者は役員に3年以上の就任要件があるので、令和6年12月中に役員就任が必要と書きました。

 しかし、その後令和6年12月20日に発表された令和7年度自民党税制改正大綱において、後継者の役員就任が緩和される予定です。

 

1.贈与まで3年間役員を継続する要件が撤廃

 

 後継者の要件が撤廃、緩和されます。

(1)改正前 事業承継前3年以上の役員就任

(2)改正後 事業承継直前までに役員就任

なお、この役員就任要件の緩和は、令和7年1月1日以降の贈与について適用されます。

 

2.特例事業承継税制の2つの期限

 

 事業承継税制を受けるために、事前に申請する「特例承継計画」の件数は令和5年で全国5,357件でした。その際、気を付ける2つの期限があります。

(1)特例承継計画提出期限:令和8年3月31日

(2)贈与の実施期限:  令和9年12月31日

 

3.事業承継税制のメリット・デメリット

 

(1)メリット:納税が先送りされるだけと思いがちですが、贈与や相続の都度、課税される負担を1回でも減

   らすことができます。

(2)デメリット:特例適用前の手続きに加え、適用後の手続の煩雑さも要因となっています。

 

4.当事務所の対応

 

 対策が必要なお客様を対象に「事業承継計画」を年内に申請いたします。たとえ、その通り実行できなくても罰則はありません。