前回のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』は、今までにないほど私の周りでも話題になったドラマでした。
その中で、松重豊さんが演じていた脇役(時代劇の切られ役)の伴虚無蔵(役名)の名言が印象的でした。
モデルは50年間斬られ役一筋で、『5万回斬られた男』と呼ばれ、残念ながら昨年亡くなった俳優の福本清三さんではないかと言われています。
1.日々鍛錬し、いつ来るとも分からぬ機会に備えよ
人生には、重要な転機が何度か訪れます。そのチャンスの時を逃がさない為に「日々鍛錬し、いつ来るとも分からぬ機会に備えよ」と、日常から自分の特性を磨き上げるべきだと語っています。
チャンスがないからと腐らずに、コツコツ磨き上げているからこそ、そのタイミングが分かり、いざというときに実力が発揮できるのです。
機会は来ないかもしれませんが、日々の努力というものは、どんな形になっても最終的には自分の物になるのです。そのような日々鍛錬することで、機会に備えた人物になってこそ、そのチャンスを掴めるのです。
2.その宝は、分かち与えるほどに輝きが増すもの
その言葉を守りラジオ英語講座で英語を習得したあと渡米しハリウッドで活躍したひなたと数十年ぶりに再会した際に、帰国後ラジオ英語講座の講師を打診され、悩むひなたに対し「おひな、そなたが鍛錬し培い、身につけたものはそなたのもの。一生の宝となるもの。されどその宝は、分かち与えるほどに輝きが増すものと心得よ」
とアドバイスしました。努力して身に着けた能力を自分のものだけにするのではなく、その能力をみんなに分かち合って、本当の宝になると示唆しています。まさに、「自利利他」の精神です。
3.おひなを泣かすな
仕事も恋愛も、複雑な気持ちを抱える五十嵐(ひなたの恋人)が、虚無蔵に対して
「何で耐えられるんですか?こんな屈辱に」と、何十年もスポットライトを浴びていない虚無蔵が時代劇俳優を続けていることに疑問を呈すシーンがあります。すると虚無蔵は「傘張り浪人とて刀を携えておる限りは侍だ。あべこべに、いくら刀を振り回しておっても、愛しいおなごを泣かす者は真の侍にあらず」と語った上で、「おひな(ひなた)を泣かすな」と優しく諭すのです。ダンディズムを感じさせますね。
4.KURAMAE'SEYE
ヨーロッパには「チャンスの神様には前髪しかない」ということわざがあります。これは、通り過ぎてしまってから追いかけても、チャンスをものにすることができないという意味です。(ちなみに私は、…)
虚無蔵の言葉は心に沁みます。
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