◆◆この2年のうちに生前贈与を◆◆
1.暦年贈与が廃止される?
廃止が噂された暦年贈与の110万円の控除ですが、いよいよ令和6年から実施されそうです。
2.生前贈与を活用するはお金持ち?
そもそも相続税や贈与税は資産を適切に再分配することが目的の税制であるにもかかわらず高額所得者や資産
家が暦年贈与により子や孫に無税でお金を移動させていくことに対し不公平さが問題となっていました。
3.持ち戻し期間が長くなる?
現行の「生前贈与の3年内加算」とは、生前贈与を行っても、その人が亡くなった時は3年以内に贈与した財産
を相続税財産に加算して税額を計算します。この3年の持ち戻し期間が下記の諸外国と比較して非常に短いとい
う点も問題視されていました。
イギリス:7年、ドイツ:10年、フランス:15年、アメリカ:期限なし
4.予想される暦年贈与改正案
いま、改正案のうち有力な説は、
・年間110万円以上の贈与をしても贈与税を課税しない
・10年間の累積贈与額に対して、相続税の基礎控除額を超えたら贈与税(相続税の税率)をかける
・相続時における、持ち戻し期間は相続開始前10年以内に延びる。
・対象者を、2親等内の親族として相続開始前10年以内に贈与を受けた金額を生前贈与加算する。
・適用開始時期を令和6年1月1日以後の贈与からとする。
5.まとめ
①暦年贈与は、最もポピュラーな相続税の節税対策ですので、今後は節税策が限られてしまいます。令和4年、
令和5年の2年間しかチャンスはないので、必ず生前贈与をしましょう。
②現在、相続時精算課税贈与が2,500万円まで非課税ですが、相続時の財産に贈与額が加算されますが、その
2,500万円が相続税の基礎控除(3,000万円+相続人×600万円)になると思ってください。
③持ち戻し期間が10年に延びるので、60歳になったら、生前贈与をしていきましょう。
④贈与税は、かからなくても、贈与状況が分からなくなるので、現在の相続時精算課税のように、毎年申告は
必ずしなければならないでしょう。
(所長 蔵前達郎)
□□デジタルインボイスの活用□□
消費税インボイス制度の開始(令和5年10月1日)
に向けて準備は進んでいますでしょうか?
適格請求書発行事業者の登録やシステム対応、請求書等の様式の変更など、事業者毎にさまざまな対応が必要とされています。また、制度開始後においては、インボイスの保存が必須であり、電子帳簿保存法の改正と併せて保存方法を見直す必要があります。
そこで注目が集まっているのが、デジタルインボイスです。デジタルインボイスとは、煩雑となるバックオフィス業務全体のデジタル化の実現であり、紙を前提とした業務プロセスを「電子化」するだけではなく、その業務プロセス自体をデジタル前提に見直し「デジタル化」していくこととされています。
国内では、デジタル庁やTKCなどの各ベンダーによって構成され発足したEIPA(デジタルインボイス推進協議会)により、デジタルインボイスの利活用・普及が進められています。
デジタルインボイスの利活用等では、請求から支払、さらにはその後のプロセスである入金消込といった会計・税務の業務についても、エンド・トゥ・エンドで、デジタルデータでつながり、事業者のバックオフィス業務全体が効率化するだけはなく、その結果としての新しい価値やベネフィットも期待されています。
6月にはJP PINT請求書仕様(ver0.9.2)が更新されるなど、着々と準備は進められており、Peppolネットワーク上でのEDI連携は目の前まで来ており、自社の様式策定等にあたっては、デジタルインボイスの活用を視野に入れておく必要があると思われます。また、電子インボイスの保存については、TDS(TKC証憑保存サービス)が便利ですので、積極的に活用しましょう。
不明点がございましたら、担当者までお問い合わせください。
〇〇お気をつけて〇〇
皆さんは退勤の際、同じ職場で働く同僚にどのような挨拶をしていますか?
「お先に失礼します。」それに対する言葉は「お疲れ様でした。」が主流でしょうか?
以前の職場でいつものように「お先に失礼します。」と言って帰ろうとしたら「お疲れさまでした。お気をつけて」と言われたことがありました。思いもしなかった言葉にびっくりしてその人の顔を見返しました。が、その人にとってはいつもと変わらず当たり前に発した言葉だったようで、「何?どうした?」みたいな顔をされました。何気ない相手を思いやる言葉を自然に言えるということはいいことだなと思いました。「お気をつけて」皆さんも使ってみてください。顔を見返されたら言われた人がうれしかった証拠です。
(大分事務所 松浦)
投稿者:広報委員
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