現在の企業評価の潮流として、有形なものだけでなく、無形のものへの評価に目が向けられております。
その中でも近年台頭してきていますのが、人的資本です。
人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。
資本に対して投資を行うことで価値を増幅するという考え方です。
政府が企業に対して人的資本に関する情報の開示や将来的な有価証券報告書への記載義務を示唆したことから注目が集まっております。
人材を資源と捉えて管理して消費する人的資源とは相反する考え方で、名ばかりの人財経営とならないよう、また、感覚的なものにならないよう戦略的な取り組みの成果をモニタリングするために指標として以下の11項目が設けられております。
中小企業にとっては、開示義務こそありませんが、雇用環境が厳しさ増しているからこそ潮流を先取りして取り組む価値があるのではないでしょうか。
① コンプライアンスと倫理 苦情や懲戒処分の数や種類 など
② コスト 人件費・採用コスト など
③ ダイバーシティ 年齢・性別・障がい・経営陣などの多様性 など
④ リーダーシップ 経営層や管理職に対する信頼 など
⑤ 組織文化 エンゲージメント、従業員満足度 など
⑥ 組織の健康・安全 労災による喪失時間、労災件数、発生率 など
⑦ 生産性 従業員一人当たりの売上・利益 など
⑧ 採用・異動・離職 採用にかかる日数、需要ポスト登用率、離職率 など
⑨ スキルと能力 人材育成・研修の総コスト、一人当たりの研修時間 など
⑩ 後継者の育成 社内昇進、社外採用、後継者準備率 など
⑪ 労働力 総従業員数、社外労働者数、欠勤率 など
投稿者:荒木
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