今年7月19日から20日に、パシフィコ横浜で開催された第25回「盛和塾世界大会」に行ってきました。
世界各地から約4000名が、経営の勉強に集まったのです。
その、熱い二日間にわたる勉強会の最期を、稲盛和夫塾長が講話をされましたのでご紹介します。

 企業を永続的に成長発展させるには、経営者が正しい舵取りを行う事が不可欠であり、そのための唯一の客観的指標は数字である。
その数字で経営するには、
第1に、その数字が正しいものでなければならない。
日々の売上、経費がわかれば、問題点がわかるので改善ができる。いい加減だと判断を誤る。
有名企業の不正会計事件などの例でも明らかなように、経営の数字は全ていかなる操作も加えられない、実態を表すものでなければならない。そこで重要になるのが「一対一対応の原則」と「ダブルチェックの原則」だ。
(1)「一対一対応の原則」
 経営活動は、すべてモノやお金が動くことで表され、その時に必ず、「モノやお金と、伝票を一対一で対応させなければならない」というのが、この「一対一対応の原則」である。
 例えば、商品を納入するときには、必ず納品書がついていかないといけない。お金を入金するときには、入金伝票、支払うときには請求書と支払依頼票、出金伝票とか、必ず伝票とセットでなければいけない。これは、当たり前のことだが、実際には守られていないことが多く、モノだけ先に出て、伝票が後になるとか、その逆のことがあったりする。どんな理由にせよ、これを許していると、間違いが起こりやすくなり、会計数値も信頼のおけないものになる。その際たるものが、伝票操作による粉飾で、期末の売上を立てるのに、伝票だけ立ててモノは動かさない、翌期に返品伝票を立てて調整する……というような粉飾決算だ。
したがって、1つでも一対一対応が守られないことを許すと、社員の感覚が麻痺して、数字は操作できるもの、操作して当然のものとなってしまい、「蟻の一穴」からやがて必然的に大きな破滅へと向かうことになる。1件の例外も認めず、ルールを必ず守ることができて初めて、正しい会計ができる土台ができる。
 また、これによって社内のモラルが高まり、社員の会社に対する信頼感も増してくることになる。
(2)ダブルチェックの原則
社内のあらゆる書類や、お金の動きに関して、伝票を起こす人と支払う人が別の人間にさせ、ダブルチェックを厳格にしなければならない、というのが、この「ダブルチェックの原則」である。
 例えば、発注は購買部門を通して発注しなければならず、入荷したときは経営管理部門のチェックを受け、支払いは、経理部門が行うといった具合だ。
 ではなぜ、ダブルチェックをやるのかというと、ミスを防止するため、不正を防止するため、取引先との癒着の防止ものチェックを行なう、という性悪説的な考え方からだ。
 もう一つの理由は、社員や組織に所属する人への、優しさ(愛情)が根本にある。つまり、人の心は大変大きな力を発揮する反面、とても弱い一面も持っており、ふとしたはずみで過ちを犯してしまうこともある。心が弱くなっている時に、軽い気持ちで不正を起こしてしまうこともあり得る。不正を起こしてしまった本人に責任があるが、そのような不正を起こさせるような緩い仕組みにしておいた会社も悪い。そのような罪を作らせないようにすることが、大事なのなのだ
 会社の中では、様々な伝票やお金が動いているので、このダブルチェックは、その時々で厳重にしていかないと、あっと言う間にチェック漏れが発生していくので、このルールを作ることが非常に大事となる。

投稿者:蔵前

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