2016年の第92回箱根駅伝で2連覇、39年ぶりの完全優勝を果たした青山学院大学陸上競技部の原晋(はら・すすむ)監督は、昨年まで無名の監督でした。さらに現役時代は箱根駅伝出場、オリンピック出場などという華々しい経歴は無縁の平凡な選手でした。  そんな原監督が、なぜ青学陸上競技部で結果を出せたのか。そこには、営業マンとして企業に勤めた経験をもとにして確立した新しい選手の育成方法があったのです。 監督に就任してまずしたことは、チームビジョンをつくることだったそうです。 そのために設定した行動指針は、

〔1〕「感動を人からもらうのではなく、感動を与えることのできる人間になろう

〔2〕「今日のことは今日やろう。明日は明日。またやるべきことがある

〔3〕「人間の能力に大きな差はない。あるとすれば熱意の差だ

ということです。他校のように「タイムを速くしよう」「試合に勝とう」という根性論的な目標ではなくて、「感動を与えることの人間になろう」「今自分にできることを精一杯やり続けよう」というメッセージが、選手のやる気を引き出して育てていくという監督のスタンスを表しています。