今年を振り返って、リーダ―にあり方を考えさせる1年でした。 公私混同問題に対する世論の批判は厳しさを増し、当時の舛添要一都知事が辞職願を提出し、小池百合子知事が誕生しました。

知事は、江戸時代で言えば一国一城の殿様です。その殿様が、正月の家族旅行や飲食、さらに趣味の美術品の領収書など政治資金報告書に堂々と載せていたという“せこさ”で人心が離れてしまいました。

現在のあきれた騒動を、明治維新の立役者たちが生きていればどう言っていたでしょうか?

1. 福沢諭吉は、こう言うでしょう。

福沢諭吉はリーダーについて「思想の深遠なるは哲学者のごとく、心術の高尚正直なるは元禄武士のごとくにして、これに加うるに小俗吏の才をもってし、さらにこれに加うるに土百姓の身体をもってして、初めて実業社会の大人たるべし。」と語っています。

すなわち、リーダーの資質として

①哲学者のような深い思慮

②武士のような清廉な心

③小役人が持ち合わせるぐらいの才知

④お百姓のような頑健な体

これらが揃って初めて、社会に役立つ「大人」ある事ができると述べています。

前知事は、③④は持ち合わせていたのでしょうが、②はその欠片もなかったようです。

2.西郷隆盛は、こう言うでしょう

遺訓6条で「人材を採用する時、良く出来る人(君子)と普通(小人)の人との区別を厳しくし過ぎると、かえって問題を引起すものである。」

その理由は、この世が始まって以来、世の中で十人のうち七、八人までは小人であるから、よくこのような小人の長所をとり入れ、これをそれぞれの職業に用い、その才能や技芸を十分発揮させるのがよい。

藤田東湖先生(尊王攘夷論者)が申されるには、「小人は才能と技芸があって使用するに便利であるから、ぜひ使用して仕事をさせなければならない。だからといって、これを上役にして重要な職務につかせると、必ず国をひっくり返すような事になりかねないから、決して上役に立ててはならないものである」とのこと。」と語っています。


先哲の二人は共通して「リーダーは、人柄がよく、信頼される人間性に加えて、優れた能力も必要だ」と教えます。今年の東京都の騒動の責任は、人間性を見抜けず知名度がある候補に安易に投票した都民にもあります。