阿部盛一郎コラム

日本の相続税率は世界の国に比べ高いのか低いのか?

 平成23年税制改正大綱が発表されましたが、それによりますと最高税率が50%が
55%に引き上げられました。又相続税の基礎控除は逆に引き下げとなる。
次の通り
                                現   行                        改 正 案             
  定額控除         5,000万円                         3,000万円
  法定相続人比例控除 1000万円×法定相続人
             600万×法定相続人


配偶者と子供2人の場合の比較では8000万円が4800万円となり、現在相続税の掛かる比率は4%が8%と倍増となります。

民主党政権では相続税は今後も機会ある毎に引き上げる方向にあります。
では世界では
1.相続税0%の主な国
   インド.中国.オ-ストラリア.ロシア.スイス.スエ-デン.カナダ外16カ国
 アメリカも2010年から相続税率0となっている。
 相続税率が係る26カ国の平均税率は24%と日本の相続税率が世界最高であることが判明しました。日本人はこの事実を知っていて容認してるのだろうか?

日本の「個人金融資産1400兆円」は誰が持ってその中身は?( 日本の国債は大丈夫か)

2010年度末政府債務残高(国.政府合わせて)862兆円(GDP197%)となり11年度予算の国債発行額44兆円を足せば900兆円を超し、2,3年後には1000兆円を超えるという世界史に例を見ない国となる。
 しかしテレビの政治経済番組などを見ていると「日本には1400兆円もの個人金融資産があるのだから」という政治家や評論家のコメントがあった(さすがに最近は少なくなったが)念のために1400兆円の中身を「グ-グルの検索」で探って見ました。

1.種類別個人資産保有高
  現  金    40兆円
  預 貯金      750       500兆円を金融機関が国債を買っています。 
 国債.地方債  40      この500兆円は公共工事や公務員の給料等で既に
  投資信託     50      使われたものです。  この1400兆円の多く
  株  式     80        の部分が、既存の社会的な資本(ダムや住宅.企業
  保険.年金   390       等の設備)公務員の過去のサ-ビスに対する給与等
  そ の他     50       となっています。
   合  計      1400兆円
  個人借金        400兆円    住宅ロ-ン等
  差引純資産     1000兆円

 (注) 個人金融資産1400兆円には個人事業主の「事業用資金」が半分近く含まれているとも言っています?つまりこの統計数値は純粋な個人資産のみではないことになります。
2.年代別平均貯蓄保有高    ( 平均値 1430万円)
    20歳代  278万円   30歳代 692万円   40歳代 1091万円
    50歳代 1557万円    60歳代 1860万円      70歳代 1787万円

  この平均値は60歳以上の高齢者など少数の高額保有世帯によって平均値が引上げられている。全世帯の6割以上が平均値を下廻つている中で、実感とかけ離れた印象を受けるのも無理はない。

3.個人金融資産の7割で国債.地方債を買っている
    統計資料によれば既に日本の「家計貯蓄率」が急落して「消費大国米国」をも下回る世界最低水準までになっています。(OECD)経済協力開発機構の公表資料ですこの状況ですので今後、所得のない老人は生活のために預貯金を切り崩す為個人貯蓄は減少していきます。この個人金融資産の減少が日本の財政事情を考えるのに無視出来ない要素となっています。理由は個人金融資産が日本政府発行の国債.地方債の受け皿になっていることが現在問題視されているからです。

4.個人金融資産が今後も安全に保全されるのか?
    IMFは「日本の政府債務残高は2019年までに個人金融資産を上回る」と試算しています。しかし私自身は上記の資料等から今後も40兆円以上の国債発行と貯蓄率の急激な現象が続く限りあと数年で日本の財政は取り返しのつかない状況になると思うので国会審議だけに任せるだけでなく、国民一人一人が声を上げ、行動に移すべきと考えます。貯蓄の多い人も少ない人も多大な被害が生じる前に議論の輪に加わりませんか!

   次回の記事は関連記事として「日本の家計貯蓄率急落」について分析します

                                                 以   上

知らなかったではすまされない~相続の常識プラスの財産だけでなくマイナスの借金も同時に移転します

相続とは、死亡した人の財産上の権利義務が相続人に同時に移転します。ほしい財産だけもらって借金はいらないと言う訳にはいきません。保証人.連帯保証人も引き継がれます。もし仮に被相続人(父母)が莫大な借金を残して死亡した場合、残された相続人が今後借金まみれの人生を送らなければなりません。
どうすればよいのでしょうか3つの方法があります
 1.単純相続    全て引き継ぐ     手続き不要
 2.相続放棄    相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に請求
 3.限定相続    相続財産の範囲内でのみ債務を弁済するものです
                      手続きが非常に複雑なのであまり利用されていません。

 債務の方が多い場合は、相続放棄の手続きをお勧めします。専門家に説明を受けて実行することをお勧めします。
3ヶ月を過ぎると単純承認と見なされますのでくれぐれも注意を
又、相続財産の一部でも処分(売却.贈与.消費など)した場合単純相続したと見なされ相続放棄が出来なくなりますので要注意を!
外にも相続放棄をするときには注意する点がありますが、紙面の関係で大枠だけの説明とします。
いずれにしても、被相続人(財産を渡す方)のプラス財産とマイナス財産が判明が遅れると手遅れになりますのでご注意を!!!                                   


                      税理士  阿部盛一郎

いま日本がみまわれている非常時における経営トップに必要な10か条

皆様あけましておめでとうございます。今年も去年に引き続き厳しい経営環境が続きそうですが、そのような環境から抜け出すための「経営者に必要な10か条」が船井総研 船井幸夫先生の著書のなかにありましたので紹介します。 (グ-グルより検索)  


1) 命をかけて経営に当たり、全責任をとる人 
     2) バクチをしない人 
     3) 取引先.知人.お客様を大切にし、彼らに仕事上で損を与えない人 
     4) 株主.お客様.従業員をとことん大切にする人 
     5) 会社を黒字にするために常に全力投球する人 
     6) 本業にとって不用なことに投資しない人 
     7) プラス発想が出来る人 
     8) 勉強好きで、「時流」「真実」をつかめている人 
     9) 儲けるのが上手い人
   10) 部下に上手に仕事を任せることが出来る人


 組織の命運はトップが99.9%を握っているのは特に中小企業にとっては「真理」だと思います。
2012年問題で世界のトップの交代の前年、世界は大揺れになると思いますが、企業経営者は自助努力で厳しい環境から抜け出しましょう。

成果を挙げるための条件

 時代が大きく変化している中で、自社の掲げた目標を達成し成果を上げることが困難な時代、ドラッカ-の「経営者の条件」の中で仕事において成果を上げるには、特別の才能や適正は必要ないと言っています。いくつかの簡単なことを行うだけで良いという。
そして簡単な「習慣」を身に付けばよいと言っています。 その条件として

   

  • 第一が、常に貢献を考えることである。
    これは簡単なことのように思えて、じつはそうではない。
    「業績」という言葉が出てきそうになったら、
    そのつど「貢献」と言い換えなさいという。

  • 第二が、常に集中することである。
    これも簡単なことに思えるが、そうではない。
    集中するには優先順位を決めなければならない。

  • 第三が、目線を高くすることである。
    何をどうしようとも、「世のため人のため」という
    目線の高さがなければ飛躍は無理である。
    必ず、欲という落とし穴に落ち込む。

  • 第四が、成果を上げるための必要な資質は「真摯たること」である。
    これなくしては、長期的な成果は望めない。

  • ドラッカ-は、成果を上げる者は、成果を上げる能力を努力して身に付けているという。そして成果を上げること習慣にしている。最後に「成果を上げることはことは習得できる。そして習得しなければならない」



    皆さんこの4つの条件を「習慣」として身につけ2011年に向かって飛躍してみませんか。

    新しい事業で成果を挙げるためには!!

     今回はドラッカ-の経営戦略の中から今経営者に最も人気のある行動規範となっている理論を掲載説明します。

    1.既に起こった未来を探す
     全ての出来事には病気でいう「潜伏期間」があります。発症、発生するまでには時間が かかるからです。この「潜伏期間」中の病気名が判るとドラッカ-のいう「既に起こった未来」が判るしどうすればいいかも判ってくるといっています。人が健康診断をして今進行している病気に気づき治療するように、企業も同じように「一定の基準で」「定期的に」「同じ測定手法で」観察する習慣を身につけることがこの環境変化の厳しい時代には絶対条件であると!

    2.未来はどこにあるか
       既に起こっていることの中で基本となる分野(政治.経済.社会.産業.市場)での出来事が認識できると「これから何が起こるか」「いつ頃起こるか」の予測が可能となる。例えば社歴の浅い企業では社歴の古い企業で起きていることが自社の「既に起こった未来」になるかも!輸出企業に起こっていることは、内需企業にも必ず影響が出てくる。社内で起こっていることを観察すると商品のライフサイクル.社員の年齢等の視点で見ると社内で既に起こった未来で企業の経営状態を左右するものがたくさんあります。

    3.どの未来を事業にするか
    1.2の視点から考えればその中で取り組むべきものを選択しなければなりません。基準は「実現可能性」「自社の競争優位性」と「時間軸」となる。つまり「最高」ではなく「最適」であることが優先されると
    最適とは「顧客に魅力的で」且つ「競争力」があり「目標とする利益額と率を得られる」事業や商品を指します。少ない資源の中では「選択」と「集中」が必要とされます。

    今環境変化のど真ん中にいる「潜伏期間中の」中でぜひ自社で既に起こっている未来を探し当て早く自社のビジネスモデルを構築しましょう

                                          税理士   阿部 盛一郎

    ~知らなかったではすまされない!相続の常識~

     相続を開始しますと、被相続人の財産に属した一切の権利・義務を引き継ぎます。
    預貯金、不動産等のプラス財産だけでなく被相続人(死亡者)が生前抱えていた借金等のマイナス財産も含めて承継しますが、もし仮に被相続人が莫大な借金を残して場合後に残された相続人が今後借金まみれの人生をおくらなければなりません。
    このような場合どうしたらよいのでしょうか?
    相続の方法には三つの方法があります。

    1.単純承認
      プラスの財産もマイナスの財産も全て引き継ぐものです。この場合は手続きは必要ありません。
    2.相続放棄
        相続人は相続開始があったことを知ったときから、3ヶ月以内に相続の放棄を家庭裁判所への請求により行うことが出来ます。
      相続財産の調査に時間を要する場合には家庭裁判所に期間の延長をしてもらうことも出来ます。
     「この期間を過ぎますと単純承認されたと見なされ」全て相続したこととされますのでご用心を!
    3.限定承認
        「例」
       100万円   -   50万円    =  50万円
       +財産(預貯金等)  -財産(借金等)    +財産が残った→ 50万円相続 する
      100万円   -  200万円    =-100万円     
       +財産        -財産      =-財産が残った → 相続しない  

    被相続人の財産が余ったら、その余った分だけ相続するという限定承認は、一見合理的な制度に見えるため、誰もが選択しそうな気もしますが、実はあまり利用されていません。
    この手続きが、非常に煩雑で面倒であるということが大きな要因のひとつになっています。
    この手続きをする場合には専門家に相談下さい。


    以前にも掲載しましたが、相続が発生したときは既に遅い場合が多々あり、相続税がかからないにもかかわらず裁判調停が多く発生しています。
    相続発生前に「相続事前対策」を行い「争族」の危険を防ぎましょう  
        (ここが大切!)                              
    1.多額の借金がある場合、相続放棄や限定承認をすれば債務の承継が免れる
    2.限定承認は相続人全員の同意が必要
    3.相続放棄や限定承認の申述期限は相続開始を知った日から三ヶ月以内

                                         税理士  阿部 盛一郎

    今、新聞.テレビで騒がれている「TPP」とは!!

     TPPとは「環太平洋戦略経済連携協定」の意味でわかりやすく言えばアジア.太平洋での自由貿易圏の構築を目指す環太平洋パ-トナシップのことで、物品貿易についての関税を完全に撤廃することすなわち0にすることことが原則です。
    仮に応じられない品目があってもそれらの品目についても10年間で段階的な廃止を実現することが義務づけられることになっている。2010年10月現在でTPPにはシンガボ-ル・ニュ-ジランド・ブルネイ・チリ・米国・オ-ストラリア・ペル-・ベトナム・マレ-シアの9カ国が参加している。2010年3月から政府間交渉が開始され、物品貿易に加え、投資、サ-ビス、政府調達など幅広い分野を対象としています。


    これらの国を見るとシンガボ-ルを除いて農業.資源国で構成されている国です。菅直人首相が10月に突然打ち出したTPP協定について今地方.農協からは相当の反発が出ており民主党内の農水関連議員からも反発意見が噴出している。だがしかし!!


    参考までに参加国の平均関税率と日本の農産物の関税率を見ると意外なことが判明した。
       シンガボ-ル     0% 日本  農産物平均   11.7%  
      オ-ストラリア  3.5%       こんにゃく芋    1700%  
      米    国    3.5%     米          776%  
      マレ-シア      8.4%    小  麦       250%    
       ベトナム          10.9%  バ  タ-      330%
      ペル-      5.5%  自動車          0%
      JETRO 日本貿易振興機構より                           


      日本の農産物関税率が圧倒的に高いと思っていたがそれは米.乳酸品以外は他の国に比較しても低いことが統計資料から判明した。ちなみにEU20%、タイの35%より遙かに低い。今のままでは日本は勘違いされたまま孤立の道を突き進むのではないかと心配しています。10年以内に高関税品目の農業を集中的に育成支援して「強い農業」にむけ官民一体となって取り組む必要があります。反対だけではグロ-バル化された世界各国から阻害される事になる。現にアメリカは日本が参加すれば交渉が遅れると言ってアメリカ有利な条件農産物の大幅な条件だけでなく、アメリカ産牛乳の輸入条件の緩和の外郵政民営化の見直しについても、外国企業が競争上不利になるとして、再検討日本に要求している。
    ところが11月9日の国会討論で管総理はTPPは参加ではなく検討準備に入ると先送り後退発言をし、まったく関係者との準備をしていないことが露呈した。
    11月10日から日本で開催されるAPECで何を開催議長として主張するのか?、日本の方向性が見えない中でただ弱い米.酪農品の戸別補償等の保護だけでは永久に世界の仲間入りは出来ない。どうしたら「強い農業」を10年間かけて前進するしか道はないと思います。負けるながんばれ日本!              



       税理士  阿部 盛一郎

    ドラッカ-の「企業の目的」の意義

     ドラッカ-は企業の目的は利益ではなく「顧客への貢献で、その顧客を創造するのが企業の目的」であり利益はその結果だと!!では利益の役割は?


    1.業績悪化への備え
      個人の家庭でも病気や事故が起こるように企業にも災害や景気変動による一時的な業績不振が起こります。そのようなときに社員を解雇したり工場や営業所を閉鎖したりしなくて済むような準備が必要です。

    2.将来の投資費用
        規模にもよりますが、工場の新築や設備投資、出店、研究開発には資金がかかります。そうした資金を借入金だけに頼るのは危険です。こうしたときに力を発揮するのが自己資本特に内部留保です。

    3.資本コストに対する配当
        資本を提供した人に対する配当還元が必要です。中小企業の同族会社では必要ないかもしれません。

    4.業績を図る物差し
       継続的に利益を出し続ける企業は顧客ニ-ズに応えながら健全な経営をしている物差しにもなります。
    この考え方はドラッカ-の基本中の基本となる考え方と聞いています。
    10月の日経新聞に2009年度(4月から3月)法人税を払っている黒字企業の割合がなんと全国25.5%(前年度比3.6%減)になっている現状をどのようにお考えでしょうか?

                                        
                                         「ドラッカ-経営戦略」実践ワ-クブックより
                                                                           税理士  阿部 盛一郎

    どうしてキャッシュフロ-計算書が必要なのか!!

    会社が提出する決算書は三種類あります。
    1. 貸借対照表(B/S)       会社の財産が書いてある
    2. 損益計算書(P/L)       会社の儲けが書いてある
    3. キャッシユフロ-計算書(C/F)  現金の流れが書いてある
    この中で企業のキャッシュの動きを表す決算書。企業がどのような活動によって現金を増やしたかまた減らしたかがわかるキャッシユフロ-計算書の重要性が高まっています。「黒字倒産」と言う言葉を聞いたことがあると思います。順調に売上を伸ばし決算も黒字であるのに何故か倒産してしまう。どうしてこんな事が起きるのか?「利益を出している会社=現金を持っている会社」とは言えないことを説明できるのがキャッシユフロ-計算書計算書なのです。会社の経営状況を分析する際には利益だけでなく現金の流れを理解する必要があります。
    現金の流れを把握し早く手を打てるのがCF計算書です。この決算書は三つのフロ-から組み立てられています

    1.営業キャッシユフロ-
      会社が本業でどれだけ現金を獲得できたかを示したものです。この数値がP/Lの営業利益よりも低い場合は売掛金の回収が出来ていないか 棚卸商品が増加していないか 等の原因があります。
      +のとき  本業で順調にキャッシュを稼ぐ力があると言うこと。継続して+であることが望ましく、設備投資に資金を投入したり、借入金を返済したりする余裕がある。  -のとき本業で稼ぐ力が足りない状況でこの場合は資産を売却したり、銀行からの借入れなどで資金を調達しなければならない。-が続くと会社の存続が危ぶまれる。

    2.投資キャッシユフロ-
       投資による現金の増減を表すもので、有価証券の購入や売却、有形固定資産の購入や売却などがある。投資すれば投資キャッシュフロ-は-、売却すれば+となる。
     会社がどのような投資を重視しているかを見ることで戦略を推測できる。
     +のときは会社に投資する余裕ががなく資産などを売却して現金を得ている。資金繰り に窮している可能性有り
    2.財務キャッシュフロ-
    銀行からの借入や返済、株式の発行などによる現金の増減を示している。借入をすれば+、返済を-となる。
    +のとき  銀行などで資金を調達し借入金の返済額を上回っているということ。しかしあまり+が多すぎると経営の負担となってくる

    -のとき  借入の返済が借入などの額より上回っているということ
      三つのキャッシユフロ-の動きの+、-が貸借対照表の科目に現れ会社の評価に繋が ります。ぜひ自社のキャッシュフロ-計算書を分析し課題解決にお役立て下さい。
    ご不明な点がありましたら当会計事務所にご相談下さい。
                                      税理士  阿部盛一郎