建設業の税務調査で必ずと言っていいくらいチェックされるのが、いわゆる「1人親方」の外注扱いについてです。 

特に元従業員だった人を1人親方として外注扱いする場合は、

「仕事が無いときに給与の支払いの必要が無い」

「社会保険料の負担が無くなる」

「消費税上の課税仕入れになるので消費税納付が減額できる」

などのメリットが挙げられます。


しかしメリット享受するためだけに安易に「給与」を「外注費」に変更することは税務上は認められず、その事実認定には諸々の要件を満たす必要があります。


まずその人の独立性、つまり「事業主」であることを裏付けることが必要です。

そのための判断基準として

・「事業主」が自ら請負金額を計算しているか

・「事業主」の取引先が発注者1社専従になってないか

・「事業主」が店舗など、事業所を有しているか

・「事業主」が材料や道具などを自ら用意しているか

・「事業主」が発注先の指揮・監督を受けていないか

・「事業主」への支払いが月額一定でなく、賞与等の特別支給が無いか

などを総合勘案して判定いたします。


「労務」でなく「請負」であるので、請負契約書や外注先からの請求書が無ければ基本的に外注費としては認められないことになります。これらの判断基準が満たされておらず証憑類不備でありながら、外注費としていたものが給与として認定されてしまった場合、「源泉所得税の徴収漏れ」と「消費税の課税仕入れの否認」を指摘されます。


法人税上の繰越欠損がいくらあっても関係のない税目の追徴課税になりますので、安易に捉えず、まずその元従業員が独立した「事業主」となるかを考慮するべきでしょう。

投稿者:外池

会計事務所勤務通算約17年です。 どんな事業・仕事もお客様なしでは成り立ちません。人や地域にとって必要とされているから私(達)の存在があるという認識で仕事に携わってきました。 これからもお客様のために尽くす、「自利利他」をモットーに必要とされる人間になるよう、邁進していきます。
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